21世紀の「昭和の学校」をめざして
今の学校は、生徒も先生も忙しすぎます。先生は予定を詰めれば仕事した気になるのでしょう、生徒にも考える時間も与えず補習や補講を詰めこむ…カンフル剤的に成績が上がったとしてもこのような人が大学以降に勉強すると思いますか?車のハンドルに「遊び」が無い状態と同じで危ないです。生徒には中高の間にもっと様々な経験を積んで欲しいので、補習・補講は全廃しました。(兼任している)武蔵野大学高校は、これで成績が上がりました。成績は、モチベーションと目的意識をしっかりフォローすることで上がるものなのです。同様に、先生方の仕事も減らして生徒と向き合う時間を増やしました。AIコンテンツ導入の目的は、先生がいい意味で余力の時間を手に入れるためでもあります。昭和の先生達って、昼休みに将棋を打ったりしていたじゃないですか。
「焼野原」で何ごとにもチャレンジする風土を培う
今この国は、「焼野原」と言っていい、社会資本はあってもシステムはダメになっているのに、まだそこにしがみついています。学校の制度も子どもが増える前提で作られているのに、子どもが減っている今も同じ制度のままです。そして、この学校も「焼野原」です。ですから、いろいろ楽しくチャレンジしながら、この学校を戦後の学校のように皆で一緒になんとかしていこう、と話しています。生徒は学校の主役ですから様々な意見を出してもらっていますし、職員会議にも生徒を入れようとしています。そして何かあればフィードバックをください、と伝えています。本校ではフィードバックを大切にし、フィードバックした人には最大限敬意を払い、お互いに成長していくことをめざしています。先生方にも、慣例主義をやめて失敗を恐れないことを求めています。
失敗を恐れず、ワクワクする子になって欲しい
今の若い人は失敗を恐れてオドオドしています。実験ノートにメモした貴重なエラーの記録さえ改ざんする大学生もいるという、これは良くないです。生徒には、どんどん失敗しながら、どんどん意見を言って欲しいです。「右向け」と言われたら、命令に従って右を向くのではなく左を向く、そういう人がいて世界のバランスは保たれる。失敗はまさにこういうことではないでしょうか。こんなに変化の激しい時代なのに、皆さんなぜか型にハマろうとしています。日本人は本来クレイジーなところを持っていました。パナソニックの松下幸之助やソニーの盛田昭夫は焼野原からあんなすごい会社を創ってアメリカを喰ってしまいました。この学校で原点回帰を果たし、日本人のメンタリティーを回復して、元気でワクワクし、失敗しても突撃できる人になって欲しいのです。