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女子美術大学付属高等学校 インタビュー
絵画コースH.Yさん/デザインコースS.Wさん/工芸・立体コースS.Tさん
【H.Yさん】「これが好き」「こういうことがしたい」と素直に言えるようになったことです。私は以前、あまり素直ではなく、ひねくれた部分が多かったり、先生と話すのに緊張してしまうタイプでしたが、女子美に入ってからは、周りの人たちの「素直さ」に感化されて、自分も変わることができました。また、女子美の先生方はフレンドリーで距離感が近く、相談しやすい存在のため、自分のことを隠さず話せるようになりました。
――女子美で得られたことはなんですか?
まんべんなく課題が出され、発想力を伸ばすためのドローイング※や自由制作などに取り組む機会もたくさんありましたのである程度、描く実力がついたかな、と感じています。私は絵本のような作風にとても惹かれているので、大学でそういった絵を描きながら進路を見つけたいです。女子美は本当に、自分の好きなことを尊重してくれる仲間が多く、自分の個性をさらけ出せる場所だと思います。自分のことを言葉であまり話せない、表現できないと感じている人も、女子美では作品作りを通じて自分を表現できるようになると思います。
※ドローイングは「素描」のことで、スケッチやデッサンと同意。
この作品は「発想力」をテーマにしています。発想という目に見えないものを表現するために、私は電球を「アイディアの源」として用いております。私が良いアイディアを思いつくときはいつもお風呂に入っている時なので、電球(アイディアの源)を持ったチョウチンアンコウを「お風呂の潜水艦」で探しているというストーリーを持たせています。また、絵の隅々まで深海生物やお風呂グッズなどの小物を散らばせ、生き物たちが何をしているか、おもちゃがどれだけあるかなど、楽しみながら見てもらえるようにもこだわりました。
私は高校に入るまで発想力が本当に無いと思っていました。アイディアも思い浮かばないし、絶対にやりたくないって思うくらい苦手だったので、高校では発想力を伸ばしたいと思っていました。入学してから、何度もドローイングや自由制作で作品を作っていくうちに、今では発想することが楽しいなって思えるようになりました。
――制作期間を振り返るとどうでしたか?
「最優秀賞」を狙いながら制作をしていました!最優秀賞の受賞を知ったときは、もちろんうれしい気持ちもありましたが、小学1年生の時から通っている絵画教室の先生に報告できるっていう、ほっとした気持ちのほうが強かったです。卒業制作をしていて一番楽しかったのは、自分で考えて自由に描いていけるってことです。アトリエ内に割り当てられる制作場所も自分の過ごしやすいように道具を置いたり、資料を貼ったり自分の部屋みたいにして過ごせます。その環境の中で、ふとしたアイディアを形にしてうまく表現できた時は本当に嬉しいです。あと、締め切りまで「何日しかない!」「終わらない!」って友達と嘆いていたことも楽しかった思い出です。
普段では味わえない、制作に集中できる非日常的な時間を過ごせることは、絵を描いたり、物を作ることが好きな女子美生にとってきっと楽しい体験になるはずです。
【S.Wさん】私は様々なことに過敏に反応してしまうことがあり、例えば戦争や残酷な事件に対して非常に胸が痛んだり、悪い方向に働くと、最悪の事態を想像して不安に陥ることがありました。このような性質は、私にとって「弱み」と考えていました。しかし、女子美に入学し、個々を大切にしてくれる仲間や環境の中で、この「過敏さ」は良い方向に傾けば、自分の夢や世界観、好きなことが何倍にも膨らむことがわかりました。「弱み」をアイデンティティとして受け入れられれば強くなれると思います。
――女子美で得られたことは何ですか?
女子美に入学する前は人に流されやすいタイプでしたが、女子美の生徒たちはお互いを尊重し、各自の意見を大切にしてくれるため、自分の長所が明確になりました。また、先生方は私たちをしっかり見て、たくさん褒めてくれるので、自信が持てなかった私も「これが好き」という意思を貫く自信がつきました。中学校の時と比べると、周囲の人たちから「歩き方が変わったね」って言われるくらいです。女子美の生徒たちは本当に面白い子ばかりで、毎日が楽しいです。笑いが絶えなくて、腹筋が割れるほど大笑いすることもしょっちゅうです。
誰しも持っている、変えられない「弱み」は、自分を守るものにも変わる存在かもしれないと考えました。それを「赤ちゃんとキノコ」を用いて表現したのがこの作品です。赤ちゃんの額から生えている大きなキノコは、明らかに邪魔な存在の「弱み」ですが、実は「針から守ってくれる存在」として位置付けています。
私は将来、ベビーグッズのデザイナーになりたいと思っているくらい赤ちゃんが大好きなので卒業制作のモチーフに選びました。理想の赤ちゃんを描くために知り合いの赤ちゃんと触れ合い、肌の質感とか太さや関節の動きなどを研究しました。また、自分の表現した世界の登場人物が本当にいるかのように見せるため、光の表現にもこだわって、「レンブラント」や「ジョルジュ・ド・ラ・トゥール」などたくさんの名画を研究しました。
――制作期間を振り返るとどうでしたか?
描きたいものを知るために「博士」にならないといけないと実感しました。研究することで、自分の好きな世界観、色合い、景色を見つけることができました。また、画材の使い方にとらわれず、様々な方法を試すのも楽しかったです。親身になって一緒に考えてくれたり、参考になる資料を教えてくれたり、遅い時は「遅い」と言ってくれた先生方には本当に感謝しています。この経験は大きな自信となり忘れないものとなると思います。時間をかけて描き込んでも、元に戻した箇所はいくつもありましたが、悩んで出した選択なら、作品は必ず良い方向に進むと思います。
【S.Tさん】いろんな特技や、趣味を持っている、すごい個性が豊かな仲間と出会えたことです。1人で休み時間に絵を描いても良いし、趣味を共有しても良いし、そういう色んなことを認め合える雰囲気が女子美の良いところだと思っています。私が女子美と他の学校で違うと思うことは、先生との距離感です。先生と生徒というより、美術が好きな者同士の「対等な会話」ができるところです。たくさんアドバイスをくれて、一緒に私の作品と向き合ってくださる先生方との会話の中で、自分が求めていた好きなものを見つけることができたと思っています。中学から女子美に通っていますが、卒業制作でまさか一番上の賞を取れると思ってなかったのですごく嬉しくて、家で母と喜びました。
――女子美で得られたことは何ですか?
先生と相談することで、新しい視点や考え方を学ぶことができました。卒業制作の面談でなかなかGOサインが出ないこともありますが、先生と話すたびに作品がさらに素敵になっていくので、柔軟な考え方ができるようになりました。いろんな意見を取り入れてよかったと思っています。女子美では、新しい素材に触れるチャンスがたくさんあり、表現の幅が広がります。最初は簡単なモチーフから始まり、だんだん難しいものに挑戦することでスキルが向上していきます。回数を重ねていくうちに、自分の技術が確実に磨かれていくのを感じることができました。
作品では、お米の一粒一粒や鮭の皮の質感、身のふっくらした部分など、細部までこだわりました。画材には透明水彩絵の具を使い、木目を生かしながら高さを変えることで立体感を出しました。
――制作期間を振り返るとどうでしたか?
資料集めのために美術館に行ったり、ネットや本、料理本などから調べたり、実際にお弁当を食べて参考にしました。おかずのパーツデザインを考え、形を定めて型紙に起こした後、ノコギリを使ってパーツを切っていきます。全部で65個のパーツがあったので切り終えた時の達成感はありました。予定通りに終わらなくて、先生に途中経過を報告するのが怖かったですが、作業が進まないのも大切な時間であるということを教えていただきました。「思うように進まない時間」は「新しい方法を発見できる時間」でもあり、一歩ずつ完成に近づけると私は考えられるようになりました。
私はやっぱり「食べること」が大好きで、これまでの作品も「食べ物」をテーマにしてきました。将来も「食べ物」に関することで、美術と掛け合わせられたら面白いなと思っており、自分の好きなことを続けていきたいと考えております。
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