■建学の理念に合致するSDGsを学びの根幹に
SDGsは国連サミットで採択された「Sustainable Development Goals(持続可能な開発目標)」のことで、よりよい世界を目指すための国際目標です。地球上の「誰一人取り残さない」持続可能な未来を目指すこの取り組みは、本校の建学の理念「生命の尊重・慈悲・平和」とまさに合致するもので、本校では教育現場にもSDGsの観点を取り入れています。SDGsを修学旅行のテーマに据えるほか、学校行事や部活動、ボランティア活動などでは、生徒の方から積極的にSDGsを意識した企画が生まれるようになっています。例えば、学園祭ではただ模擬店をやるのではなくカンボジアの孤児院からミサンガを取り寄せて販売し収益を寄付する、部活動や学校生活において学校独自で考えた17のゴールを生かして考えてみるなど様々なアイディアが生まれています。また有志によるボランティア活動にも積極的で高円寺の阿波踊りや、子ども食堂などのお手伝いなどを通して、社会への問題意識や身近な地域、人々への思いやりなどを学んでいます。
■穏やかでありながら、熱い意欲を持つ生徒達
本校は、杉並区という都会にありながら豊かな緑に囲まれ、学内に畑があるなど、自然を身近に感じられる環境にあります。また毎週月曜日の1時間目を「瞑想」によって自分自身を見つめるという穏やかな時間で始めることもあり、生徒達の持つ雰囲気は落ち着いたものになっています。ですがその一方で、行事や部活、ボランティア活動などに積極的に取り組み、いざという時には一致団結する熱さや芯の強さを見せてくれます。いずれの活動においても生徒の自主性を重んじるのが校風ですが、その中で生徒の中に自ら動く前向きさや、奉仕の精神が息づいているのは大変嬉しいことです。
■自分の幸せ+周囲の幸せを目指せる人間に
自分の目標を持ち、追い続けることはとても大切なことです。ですが、さらにプラスして、身近な人や物事を気にかける視点も同時に持てる、そんな生徒に育ってほしいと願っています。卒業生に、栄養学を学ぼうと漠然と考えていた生徒がいました。それが高校生活を送るうちに「子ども食堂を開けるように、十分な知識と技術を身につける」という新たな観点が加わり、それによって学ぶ態度や意欲も大きく変わりました。まだ将来が何も見えないという生徒も、周囲の人や社会に目を向けることで何かをつかめるのではないでしょうか。SDGsを意識した本校での学びを通して、大切な自分の目標に、さらに大切な視点がひとつプラスされ、それによって自ら積極的に動ける人になってほしいと思います。