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雲雀丘学園高等学校 インタビュー
語学習得だけじゃない! 私たちが「ドイツ研修」で見つけたもの 森川大伍先生 / 高校1年 TMさん / 高校1年 TWさん / 高校1年 SYさん
【森川先生】海外に出る経験とは、文化や風習、宗教、言語の違いとの出会いでもあります。しかし生徒たちには、ただそれを知識や情報として仕入れるだけでなく、その違いを通して「他者理解力」を養ってほしいです。いま社会は、国境を越えて地球規模でものごとを考える「グローバリゼーション」と呼ばれる時代に入りました。世界が“小さくなった”とも言えるでしょう。その中において、海外のリアルな「ヒト・コト・モノ」にどんどん触れてほしいですね。
実は私自身、15歳のころに初めて海外でホームステイを経験しました。大変なことも多かったですが、楽しい思い出も多く、人生のターニングポイントになったのは間違いありません。それを生徒たちにも届けてあげたいのです。
そこで本校では、非英語圏も含めて9つの海外研修先を整備しました。生徒たちは、今回ご紹介するドイツのほか、アメリカ、カナダ、オーストラリア、ニュージーランド、インドネシア、台湾、アイルランド、タンザニアから選択ができるようになっています。中高の海外研修としては珍しい渡航先も多いため、複数の研修先に赴く生徒も少なくなりません。
【森川先生】本校の非英語圏の研修先で、唯一ホームステイできるのがドイツなんです。さらに、中長期の留学を除いて「1家庭につき生徒1人」でホームステイできるのもドイツのみ。また、滞在中のコミュニケーションは英語が基本ですので、英語を母語としない者同士が英語で意思疎通を図る形です。このような環境下では、ちょっとした意思表示も誰かに頼ることはできませんから、そんな挑戦心を磨くことも高く位置付けて企画しました。実際に語学力向上よりも、ドイツという国や文化への強い関心、あるいは克己心から参加する生徒が多いです。
――主なプログラムや、特徴的な経験などを教えてください
【森川先生】対象は中3~高2、現地では10日間の滞在で、同世代のホストシスター・ホストブラザーの家庭に滞在しながら、彼らが通う学校「ヘルバルトギムナジウム(※)」で一緒に授業を受けます。農場体験や世界遺産見学のほか、ドイツの生徒たちと市街地散策や近くのボウリング場で親交を深めたりもしますよ。
同校は、日本語学習の授業があるなど、本校の最も古い海外協定校の一つです。留学業者さんを介さず、渡航前の事前交流も含めて本校と直接やり取りしながらプログラムを作っているので生徒間の親密度も高くなり、別れの際は涙、涙のシーンもよく見られます。
(※)ギムナジウム…大学進学希望者のための学校。ドイツの学校制度は日本と大きく異なり、小4の時点で将来(大学進学志望、職業訓練志望、事務職等志望など)を見据えて進路選択をし、中学以降はそのための学校に通う。
【SYさん】ドイツ語を勉強したいというよりも、文化交流したいという思いが最初にありました。私は日本史が大好きなのですが、ドイツの人と互いの国の歴史を語り合ってみたかったんです。深くたくさん話したくて、1人1家庭のホームステイ環境に憧れたことも大きいですね。それと、日本史が好きすぎてマニアックな話になるのを友達に聞かれるのは恥ずかしいので、1人1家庭がいいという気持ちもありました(笑)。
【TWさん】今まで海外研修に参加したこともなかったし、中学生活の最後に何か挑戦してみようと思って。中でもドイツはホストファミリーとの交流や課外活動も豊富で、体験要素が強いことに惹かれました。「語学研修」「勉強」というイメージが強すぎると気後れしてしまったかもしれませんが、ガイダンス資料でプログラム内容を見たとき「これなら私も行けそう、楽しめそう!」と思いました。
【TMさん】私も1人1家庭がいちばんの理由です。それと、英語が母語の国じゃない点も私にとっては安心材料でした。会話は英語で行いますが、話す速さとか発音とか、聞き取りやすいようお互いに気遣って話せるんじゃないかと思ったんです。実際にはドイツの人たちは英語に堪能で、結局大変だったんですけど(笑)。あと、私は日本文化が好きで、いつか海外で抹茶を点ててふるまってみたいと思っていて、今回それが実現しました!
【SYさん】ホストファミリーが酪農を営む家庭で、馬のフンの掃除を手伝ったんですよ。これもいい体験だと思って。でも、ホストシスターは「まさか日本から来てそんなことまでしてくれるとは思わなかった」と驚いて。これをきっかけにすっかり打ち解けて仲良くなれました! あと、ドイツの子たちの積極性も刺激的でした。例えば先生から「誰かやってくれる?」と言われたら「自分がやります!」と立候補する生徒ばかりなんです。
【TWさん】フランス語の授業に参加したことですね。ドイツ語でフランス語を学ぶわけですから、もう本当に何も分からなくて(笑)。でも分からないなりに、板書の内容を見ながら穴埋めテストに挑んだりしていたんです。森川先生からも「結果云々よりも、そのチャレンジスピリットが大事」って言っていただけました。
【TMさん】ドイツと日本の学校の違いです。ドイツの学校は朝夕のホームルームがなくて、授業だけしかないことや、生徒の派手なメイクやアクセサリーについても自由だったことに驚きました。さらに、日本語学習クラスの子たちの中には普通に3カ国以上の多言語を操る人たちもいて、そういう人たちがクラスメイトだっていう環境が刺激的でした。
【SYさん】行く前は「ドイツ人=堅い」という印象があったんですが、実際にはいろんな人がいて。先入観で人やものごとを考えてはいけないと気付きました。それと、私はもともと優柔不断な性格で、選択肢を示されても決められないほどだったんです。でも、馬のフンの掃除もそうですけど、「せっかくの経験だから」と思って何でもやるようにしてたら、いつの間にか決断力が上がっていました。いろんな意味で「新しい自分」になれた気がします。
【TWさん】ホームステイ先ではできるだけ甘えないように、いろんなことを手伝うようにしていました。何かあれば「Can I help you?」と口にしていたように思います。それで自信がついたのか、帰国後のEIP(オールイングリッシュで実施される同校独自の英語コミュニケーション授業)でもたくさん話せるようになった実感があります。
【TMさん】ホストファミリーからは「朝は自分で起きて、7時には出発できるように」と言われていました。「基本的なことは自分でやりなさい」というスタンスなんです。それで朝はきちんと起きる習慣がついただけでなく、自立心が生まれました。ホストシスターと打ち解けるために、「一緒にボードゲームしない?」と誘ってみたり、「まず自分から動く」癖がついたのも成長ポイントだと思います。
【SYさん】先生方も生徒も、温かい人ばかりなことです。先生方はちょっとした休み時間とかにも「最近どう?」って声をかけてくださいますし、友達同士も互いの個性の違いみたいなものを受け入れてくれる空気があります。それこそ「やってみなはれ」の精神で、何でも挑戦してみようって気持ちになれるんです。将来は日本史の研究者になりたいと思っていますが、「やってみなはれ」の気持ちで、最近は弁護士にも憧れを抱くようになりました。
【TWさん】海外研修もそうですが、探究活動も盛んで、“学校の外”にたくさん触れられるのがいいところです。普通にネット検索しただけでは得られない情報や、見られないもの、触れられないものを実体験できます。その良さを自覚できたのも、ドイツに行けた影響が大きいですね。将来の夢はまだ模索中ですが、人と関わることが大好きなので、これらの経験を活かして「小学校教員もいいかも?」と思い始めています。
【TMさん】冷たい感じの先生がいなくて、みんな情熱的です。例えば所属するバスケ部では顧問の先生によく叱られてしまいますが、じゃあどうすればいいかっていうアドバイスが必ずあります。だから、素直な反省も頑張る気持ちも生まれるんです。それと、雲雀丘学園には進学校の側面もありますが、あくまで生徒が進みたい道を応援してくれます。なので将来は、舞台とか音楽とか芸術とか、何かを「創作」する世界に挑戦してみたいです!

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