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昭和学院秀英高等学校 インタビュー
「わからない」ことこそ「面白い」。葛藤と学びを繰り返し、真のグローバル・リーダーへ校長 田中尚子先生/T・Dさん(中3)/A・Yさん(高1)/A・Iさん(高2)/W・Sさん(高3)
【田中先生】 本校は「明朗謙虚」「勤勉向上」という校訓のもと、進学校として一定の評価を得るようになってきました。そこで近年は「骨太の進学校」という新たな教育指針を掲げています。変化の激しい時代の中で次世代を担うグローバル・リーダーを育成するには、学力向上はもちろんのこと、それ以上に「自律した自己」を育てることが大切です。わからないことを「面白い」と思い、そこに自ら挑戦する姿勢や、失敗や葛藤を繰り返しながら学ぶ力。そうした「骨太」な資質を本校で身に着けてほしいと考えています。
そのための3本柱として、「グローバル教育」「サイエンス教育」「秀英アカデミア」を実践しています。
「グローバル教育」では、神田外語大学との高大連携授業や国内での宿泊研修、また希望者の海外研修、海外大学への進学支援など、国内外で多彩かつ高度なプログラムを実施しています。単なる語学の習得にとどまらず、英語という共通言語を用いて多様性を理解すること、最先端の学問や世界を知ることを目標に掲げています。
「サイエンス教育」では、ICTやAIなど次世代に必須となる知識をすべての生徒が活用できるよう、文系・理系の枠を超えて文理融合型の教育に取り組んでいます。
そして「秀英アカデミア」は、生徒の学びを駆動させる探究への取り組みです。「探究講座」では、様々な分野から外部講師を招聘し、出前授業を行っていただいています。年間に15~18回開催し、生徒は興味のあるものに自由に参加できます。「秀英課題探究プロジェクト」は、生徒自らが課題を設定し、仮説を立てて研究する探究活動を応援する公募企画です。チームを組んで企画書を提出し、選ばれた団体には研究費が支給されます。その他、数学・地理・情報・科学オリンピックやプログラミングコンテスト、模擬国連大会、ストックリーグなど、校外でのチャレンジも積極的に応援しています。
これらの取り組みにより、生徒は与えられた課題だけでなく、外の世界に挑戦する姿勢を身に着けます。一度外の世界を体験すると、生徒は大きく成長します。自分の殻を破って挑戦していく姿を見るのはとても嬉しく、今後も背中を押していきたいと考えています。
【T・Dさん】 毎年、学期末になると、大学の先生や企業の方、研究者の方など、外部の講師による講座がたくさん開かれます。参加は自由で、保健医療や金融経済、起業など様々な講座がありますが、僕は生物が好きだったので、中2の時に「ウニの保護者になりませんか?」という講座に参加しました。
受精したバフンウニを試験管で預かり、珪藻などの餌を1滴ずつ与えるなどして、目に見えない小さな幼生から、肉眼で見えるくらいになるまで育てるという体験をしました。
普段あまり見ない生物を間近で育てるのはとても楽しい経験で、次第にトゲトゲした形に姿を変える様子など、細かい部分まで入念に観察するようになりました。ごく小さな生き物なのに、とても生き生きしているなと感じ、生き物への見方が変わったような気がします。
中学生の自分は、将来どんな道に進みたいかなど、まだ何も見えていません。そこに漠然とした不安もあるのですが、こうした探究講座で自分の興味を知り、それを広げられるような機会があるのは嬉しいです。今後もいろいろな講座に参加してみたいと思っています。
【A・Yさん】 私も生物や天文に興味があり、「ツチクジラの骨から考える」と「プラネタリウムデザイナーに会いに行こう」の2つの講座に参加しました。ツチクジラは実際に骨を触りながら、構造や生態を学べたのが楽しかったです。プラネタリウムは、デザイナーという職業があることがまず発見でした。宇宙に関わる仕事というと宇宙飛行士くらいしか思いつかなかったのですが、他にもいろいろあることがわかり、将来を考えるときの視野が一気に広がった気がします。そして、それまでは学校の勉強も、決められたものを何となくやっていただけでしたが、将来につながる勉強として取り組んでいきたいと思いました。まだ志望は決まっていないので、これから好きなことが見つかったとき、どんな道にも進めるように、得意な教科だけでなく不得意な教科も頑張ろうと思っています。
【A・Iさん】 中3の探究の授業では、全員が「クエストカップ」に取り組みます。全国の中高生が探究の成果をチームごとにプレゼンして競うのですが、これがとても印象深かったです。
私が参加したのは企業からの課題に対して企画提案をするもので、その時は「平等で公正な社会を作る」というテーマでした。テーマが漠然としているので、チームの仲間とその解釈をするところから始めます。私たちがたどり着いたのは、身体障碍者の方々の身体の制約を取り除き、自由に活動できるようにするために、体の動きをサポートする器具を作ることでした。電気を流すと縮む性質のある金属を使って人工筋肉のようなものを作り、そこに太陽光電池を組み合わせて、どこでも使えるパワードスーツを考えたのです。全国大会に進むことができ、大勢の前でプレゼンをしたのがとても貴重な経験でした。残念ながら受賞はできなかったのですが、そこで目にした他校生徒のプレゼンの様子が、とても堂々と自信に満ちていて、驚いたと同時にとてもよい刺激になりました。
その後、高1ではビジネスグランプリにも挑戦しました。こちらは、企画はもちろんのこと、お金についてかなりシビアな計画を立てなければならず、また違う勉強になりました。
探究活動は、文系、理系の枠組みを超えて、広い視野を持たなくてはいけないので、大変であると同時に、とても楽しさを感じます。特にクエストカップにはチームの仲間と一緒に熱中し、最後に悔しい思いをしたので、また機会があればこうしたコンテストに挑戦してみたいと思います。
そしてこれらの経験を通して、大学生になったら、自分で起業してみたいと思うようにもなりました。実家のある宮城県の農業や水産業とITを組み合わせるなどして、何か地域振興につなげられないか、考えてみたいと思っています。
【W・Sさん】 このプロジェクトは、チームを組んで自分たちでテーマを設定して探究していくものです。企画書を出し、校長室でのプレゼンテーションを経て認定され、内容に即した研究費が支給されます。私はたまたま地理の講習で知り合った2人の地理好きの仲間と、お茶を使った地域活性化について探究活動を行いました。10万円の研究費を使い、3人で静岡に実施調査に行ったことがとても印象深いです。静岡ならではの美しい茶畑を見たり、農家やミュージアム、市役所の方々にお話を伺ったりすることを通して、探究の方向性も再検討を重ねてどんどん明確になっていきました。実際に自分の足で現地を歩き、その土地の方の声を聞くことの大切さを実感した瞬間です。
私のチームはもともと講習でたまたま一緒になっただけの3人で、高入生、内進生の違いもあったため、初めは少し心の距離があったのですが、探究を進めるうちにそれぞれの意見を出し合えるようになり、団結力が強まっていきました。また、新幹線の手配から取材のアポ取りまで、初めての経験ばかりで、行動力がついたように思います。文化祭で校内発表をした後、さらに探究を深めて校外の「まちづくりコンテスト」にも応募し、決勝まで行って審査員特別賞をいただいたときはとても嬉しかったです。
こうした活動を通じて地理を学ぶ楽しさをより強く感じたので、大学も地理を学べる学校に行けたらと思っています。そして、大学に入っても探究活動を続けられたらと思います。
【T・Dさん】 この学校では普段から当たり前のように探究講座やプロジェクトがあり、新しいことに出会う機会が多く、自分の考え方もどんどん刷新されていくのが楽しいです。また、僕は部活でサッカーをやっているのですが、中1の時は何となく参加しているだけだったのが、中2になると下級生を引っ張っていく自覚が生まれ、それまでにないほどよく考え、熱心に取り組むようになりました。そうさせる環境もこの学校の魅力だと思います。
【A・Yさん】 探究講座や校外のコンテストなど、様々な活動ができる情報を学校が次々と提供してくれるので、自分の興味のあることに挑戦することができ、視野を広げられることに感謝しています。他にも、学年が上がるにつれてどんどん自立を促され、行事も生徒主体で運営するようになるのが面白いと感じます。中3で行った修学旅行も、スマホの利用など旅行中のルールは全て生徒が決めました。また勉強面では、不得意な科目があっても、補習などをしっかり行ってくれるので助かっています。
【A・Iさん】 私は理系志望ですが、文系分野にも興味があります。この学校では文・理の枠を超えた学際的な学びのできる機会がたくさんあるので、幅広く世界を捉えられるのがとてもいいと思います。また、生徒の自主性を尊重してくれるところも魅力です。校則も入学前に聞いていた通り、厳しくないですし、だからといって生徒がだらしないわけでもない。そこが居心地のよさにつながっていると思います。
【W・Sさん】 私にとっては、この学校で探究プロジェクトに出会えたことがとても大きかったです。怪我で陸上部を続けられなくなってしまったのですが、部活同様にプロジェクトに打ち込んで学校生活が充実しました。部活や探究活動と勉強の両立は大変なことのように思われるかもしれませんが、秀英の生徒は向上心が強く、放課後に自習室に向かう人も多いので、勉強するのが当たり前という雰囲気があります。そんな中で自分も自然と頑張ろうという気になり、今やっていることに集中することができ、メリハリをつけるのがうまくなるのかもしれません。

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