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恵泉女学園中学校
出典:運営管理者
恵泉女学園中学校
(けいせんじょがくえんちゅうがっこう)

東京都 世田谷区 / 経堂駅 /私立 / 女子校

偏差値:61 - 64

口コミ:★★★★☆

4.20

(61)

恵泉女学園中学校 インタビュー

恵泉女学園中学校インタビュー 意見をぶつけて、心で繋がる! 論じて笑う、私たちの日常
亀谷粧子先生 / 中学3年 Kさん / 中学3年 Iさん / 中学3年 Sさん
更新日:2025年6月
メディアリテラシーを養う名物授業「ディベート」
写真1
「肯定派」と「否定派」に分かれてディベート開始!
――貴校ならではのユニークな授業「ディベート」について、内容を教えてください

【亀谷先生】メディアリテラシーは、テレビ、新聞、インターネットなどから発信される情報を、正確に読み取り、批評的思考を行いつつ物事の本質を理解し意見を発信する能力ですが、「国語b」はその力を養う取り組みの一部といえます。20年以上も前から取り組んでいるNIE(Newspaper in Education)をさらに発展させた恵泉独自のカリキュラムで、生徒にも人気があります。
 教科としては「国語」になります。本校では週5時間の国語の授業がありますが、そのうち2時間を「国語b」として、「ディベート」や「新聞づくり」などを実施しています。ディベートでは身近なニュースや自分たちの学校生活にまつわる話題を取り上げ、それに関して「否定派」「肯定派」「審判」に分かれて交代で討論し、どちらの主張がより論理的に説明できているか、説得力が高いかを競います。
 これを中3の1学期に行って、2学期には「新聞づくり」を行います。例えば同じニュースを取り扱っていても、新聞社によって考え方や報じ方が違ってきますよね。まずはそうした新聞の読み比べなどを行い、「なぜそのように報じるのか」などを考察して情報の「受け取り方」を学びます。そして、次は自分たちが情報を「発信する」側として、試行錯誤を繰り返しながら、新聞製作に挑戦します。企画から取材まで生徒が行い、かなり本格的な構成となります。限られた文字数の中で何をどう伝えればより効果的かを考え、情報コミュニケーションの手法を学んでいく取り組みです。
感情に任せず、論理的に。データと客観性で議論を組み立てる楽しさ
写真2
授業後にお話を聞かせてくれたKさん、Iさん、Sさんの3人
――みなさんは、どんなテーマでディベートを行ったのですか?

【Iさん】私たちの学年では、恵泉女学園で「中学生から授業用のデジタルデバイスを配布すべきか」「恵泉女学園は高校生からメイクや髪染め、ネイルやピアスを許可すべきか」という二つについて議論しました。
【Sさん】テーマも自分たちで考えます。最初はクラスのみんなでそれぞれテーマ案を出して、少しずつ絞り込んでゆき、最終的には多数決で決めました。
【Kさん】他にも「水泳の授業を導入すべきか」「部活動の合宿は必須か」「恵泉デー(文化祭)ですべての生徒にスマホ使用を許可すべきか」など、気になるテーマがたくさんあって迷いました。

――実際にディベートを行ってみて、どんな感想を抱きましたか?

【Kさん】楽しかったです! 対立する意見同士で“バトル”をするわけですけど、そこで感情的になってはダメで。データや客観的な事実に基づいて意見を戦わせるのが、なんだか「攻略」している感じがして新鮮でした。中にはビシバシと鋭い意見を言う子もいて怖いくらいでした(笑)。
【Iさん】私は「メイクやファッションの是非」のテーマで討論する班だったんですが、準備の過程で友達と一緒に数値のデータを調べたり、「どんな反駁が出てくるかな?」「じゃあその意見にどう言い返そうか?」って、あらゆる反駁パターンへの再反駁をいくつも想定したりしながら用意していくのが楽しかったです。相手の立場でも考えつつ、いかによい議論を作っていくかを考えるのって、すごく面白いです!
【Sさん】今回のテーマは私たちの学校生活に直接関係してくる内容だったので、そこも「自分たちのことを自分たちで考える」感じがして楽しかったですね。いつもならネットで情報を集めることが多いですが、今回は先生や周りの友達にも聞き込みを行って、リアルな意見を集められたのも良かったと思います。
【亀谷先生】自分たちの主張を裏付けるためのデータ収集や検証といった事前準備は、生徒たちが放課後など授業以外の時間を使って進めてくれました。調査の手がかりくらいはサポートしますが、基本的には生徒たちが自力で取り組みます。それでもディベート当日にはしっかり仕上がっていて、私たち教員も驚いたほどです。
本文2の下の追加写真
吹き抜けの植樹が美しいメディアセンターは蔵書9万冊を誇る
相手の意見や立場を考えるからこそ、主張できる意見がある
写真3
反駁に対しては事前に想定した策を元にチームで反駁の作戦を練る
――ディベートを含む「国語b」の授業を通して得た成長とはどんなことですか?

【Kさん】年間を通して新聞記事を読んで自分の意見を述べる「小論文ノート」という課題があるんですが、この経験は大きかったです。今までは記事を読んでも、「へえ、そうなんだ」と、内容を鵜呑みにしてしまうところがありました。でもこの授業を通して、記事を批評的に読んでみたり、記者はなぜそう書いたのか意図を読み取ろうとしたり、新しい考え方が身についたと思います。
 また、私は「メイク否定派」のチームでディベートに参加したんですが、実は私個人はメイク肯定派で(笑)。自分自身の考えとは違う立場に属して考えられたことも新鮮な経験で、視野が広がるきっかけになりました。これからの人生でもいろんな情報に触れるでしょうが、感情に任せて判断するのではなく、自分の意見に責任を持って発言したいです。
【Iさん】小学生のころにも、ディベートの授業に似た「討論会」をしたことがあったんです。ただそのときは、みんな主観的な意見や感情論をぶつけ合うばかりで……なんだかもう「お互いに認め合わない」雰囲気になってしまいました。
でも今回の授業では、自分の意見を「客観的に見る」ことができたと思います。私もKさんと同じく、個人的には「メイク肯定派」だったんですが、否定派の人がなぜ否定なのかもふまえて、自分の意見が本当に正しいか考えられるようになりました。日常生活の中では、ときどき家族と意見が対立することもありますが、そんなときも相手の立場で考えてから、自分の意見をちゃんと伝えるようにしたいです。
【Sさん】それまで私は、新聞をまったく読まない人間だったんです。何だか小難しく感じていたのと、なぜか「全部読まなきゃいけない」と思い込んでいたことが大きな理由です。
でも、「国語b」の授業の中で実際に読んでみたら「あれ? 意外とちゃんと読めるぞ? 意外と面白いぞ!?」と感じたんですよ。いろんなニュースが載っていて、見出しを見て自分が興味を持ったものを読めばいい、その「材料」になるものをさまざまな分野から提供してくれているのが新聞なんだって初めて気付きました。
それと、ニュースに触れるときは、まず自分の意見→反駁→再反駁といった感じで、異なる意見を取り入れながら自分の考えをまとめる習慣もついたと思います。
判断力や表現力が高まり、どっちつかずな自分ではなくなった
写真4
ディベートの手順が映し出され、制限時間内に主張をまとめる
――ディベート(国語b)を経験して、具体的にどんなスキルが身についたと感じますか?

【Kさん】意見と感情を分けることですね。やっぱり対立した意見を聞くと、ついカッとなっちゃうことってあります。怒りに任せて反駁したくなったりとか。でもそれはディベートのルールとしてもダメだし、何よりそうやって感情的に話しても相手には伝わりません。そこをしっかり分けて、自分たちが調べた根拠やデータをもとに冷静に意見を戦わせることが大事です。おかげで、いろんな物事を冷静に考えて対処できるようになったと思います。
【Iさん】恵泉には「感話」という独自の取り組みがあります。日常の中で感じたことを原稿用紙3~8枚程度にまとめて、礼拝のときにみんなの前で発表するんです。けっこうな文章量になりますから最初は難しかったんですが、小論文ノートやディベートのおかげで、文章力を含めて「自分の考えをうまく相手に伝える」力が身についた実感があります。「もっとインパクトのある伝え方をしたい」「自分の意見をもっと知ってもらいたい」という気持ちが強くなって、異なる立場や意見を持つ人にも伝わるような書き方ができるようになりました。
【Sさん】私は「自分の考えや立場を明確にすること」ができるようになったと思います。それまで私は物事に対して、いつも中立的な立場に立つような面がありました。肯定でも否定でもないと言うか、悪い言い方をすれば「どっちつかず」です。でも、ディベートの授業の中ではハッキリと立場を決めることが求められます。そして、なぜそう思うのか、反対の意見も含めて考えを深めていく必要がありますから、それが良かったんでしょうね。たまには「自分は○○派だ」って、堂々と意見を言うのも悪くないなって思えるようになりました(笑)。
生徒も先生も個性派ぞろい! それでも、互いにそれを認め合える学校
写真5
準備も含めて長かったディベートも終わり、お互いを称え合う
――恵泉女学園に進学しようと思った理由を教えてください。

【Iさん】「サイエンスアドベンチャー」に惹かれたことです。理科の授業や理科クラブ(部活動)とはまた別に行っている課外活動なんですけど、化学班、生物班、物理班、CS(コンピュータサイエンス)班と、それぞれの分野に特化して研究できるのが「すごい!」って。もともと私は理科が好きで、恵泉ならもっと理系の勉強ができると思いました。
【Kさん】最初に恵泉を勧めてくれたのは母でした。私はIさんとは逆の文系人間で、本を読むのが大好きで。それで、恵泉には「メディアセンター」っていうすごく大きくて素敵な図書館があるのを知って見学に来てみたら、校舎全体もとてもキレイで感動しました。もう「ここなら毎日楽しい学校生活が送れそう!」と思ったのが理由です。
【Sさん】小3のときに恵泉デーの見学に来たんですが、そのとき対応してくれた先輩たちが本当に親切で。サイエンスアドベンチャーと同じ課外活動の一つである「ハンドベル」の演奏も素敵でした。学校全体の優しい雰囲気に惹かれたことが大きいです。

――実際に入学し、恵泉生として学校生活を送ってみた感想はいかがですか?

【Iさん】恵泉の先生方のもとで学べて良かったなって心から思います。距離は近いし、授業は分かりやすいし。実は小学生のころは、男性の先生がちょっと怖いと感じていたんです。でも、恵泉に入ってからはそういう感覚もまったくないですね!
【Sさん】演劇クラブの活動が楽しいです。台本を読んで、その登場人物の感情を理解していく過程って奥が深いなと。本来の自分とは違う人間を演じることを通して、そこにまつわる感情や価値観を学べるところが面白いです。
【Kさん】もともと個性的な学校だということは知っていたんです。制服もないし、校風は自由だし。でも実際に入ってみて、予想以上に個性的でしたね。生徒も先生も、変わった人が多いです(笑)。でも、その個性をお互い認め合えているのが素敵だなって。たぶん、他の学校では経験できなかったような、すごく新鮮で充実した学校生活が送れていると思います。

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