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東邦大学付属東邦中学校 インタビュー
正しい知識を学び、科学的思考で行動し、社会人類の幸福に貢献する人に。落ち着いた校風の中で、多くの経験を積んで成長できる学校です。東邦大学付属東邦中学校・高等学校 校長 坂井眞先生
その大きな理由の一つが建学の理念にあるといえるでしょう。本校は医学部や薬学部を有する自然科学系の総合大学・東邦大学の学祖である医学博士額田豊・晉兄弟によって創設されました。その教育理念は、弟の晉先生の著書『自然・生命・人間』に込められています。そこにはさまざまなことが書かれていますが、私なりに要約すると、「正しい知識を学び」、「科学的思考で行動し」、「社会そして人類の幸福に貢献する」という3本柱になります。
本書はそもそも、「何のために生きるか」という問いから始まっています。これはもちろん簡単に答えの出るものではありません。しかし、わからないからと放っておくのではなく、わからないからこそ自然、生命、人間について徹底的に学び、考え続ける道を晉先生は選び、豊先生はそれを科学的思考と呼びました。その学びと思考の先にあるのは社会貢献です。
本校生徒は、この『自然・生命・人間』を入学時、そして毎春の進級時に繰り返し読みます。平易な文章で書かれた本ですが、年齢と共にその深奥への理解は深まっていくのです。
普段はのびのびと過ごしている生徒達ですが、学問に向き合うとき、また、学友と向き合うときに、自分なりの立脚点を見出している姿を目にします。それはこうした創設者の想いが根づいているからかもしれません。
本校には姉妹校、友好校として交流を続ける海外の学校が2校あります。ひとつはオーストラリア・ブリスベンのSt Peters Lutheran College(以下、SPLC)、もうひとつはシンガポールのDeyi Secondary School(以下、Deyi)で、両校ともに名門の共学校です。
中学3年の夏休みに9日間のオーストラリア研修を行っており、前半はファームステイ、後半はSPLCの生徒の家にホームステイをして学校の授業を一緒に受けます。中学3年の春休みには8日間のシンガポール研修があり、こちらもDeyiに体験入学したり、現地の大学を訪れたりします。どちらも希望者のみの研修ですが、昨年はオーストラリアに120名、シンガポールにも30名の生徒が抽選で選ばれて参加しています。
逆に両校の生徒もこちらにやってきますので、その時は本校生徒の家庭でホームステイをしてもらい、部活動や授業での交流を持ちます。
この他、夏休みに、海外からの留学生が来校し、本校生徒とグループ単位でアクティブラーニングを行うPower in MEプログラムなども実施しています。
私は基本的には海外に行かなくても日本で英語をマスターできると考えています。その上で、海外での異文化体験や、他国の生徒との交流から学ぶことはとても大きいものです。本校がこれまで丁寧に積み重ねてきた国際交流を今後とも続け、生徒達に貴重な体験の機会を提供できればと考えています。
※Power in MEプログラム…日本に滞在中の留学生ファシリテーターによるオールイングリッシュでグループディスカッションをする3日間のプログラムです。発話を多くし、英語に向かう「度胸」を育みます
具体的には「学問体験講座」として、本校に隣接する東邦大学で行われる多彩な講座、実験、実習に希望者が参加します。高校1年生を対象に東邦大佐倉病院にて実施されている「ブラックジャックセミナー」は、医師の指導のもと実際の医療機器を用いて外科の手術体験をするのですが、大変人気があり、参加者の多くが実際に医学部に進学しています。その他、薬の調合やデータサイエンス、また理系分野にとどまらず、法学や人文科学系まで、その年ごとに最先端かつ多彩な講座が開催されます。
中高生の日々の学習は、その目的を見出すのが難しく、ともすると「これが将来、何の役に立つのだろう」とモチベーションが低下しがちです。そんな時に大学での学びの一端に触れることで、学問と社会とのつながりを認識することができるのです。生徒達は目を輝かせながらこうした講座に参加し、「将来の進路を考えるきっかけになった」、「毎日の勉強もやる気が出た」という感想を寄せてくれる生徒も多くいます。
私は、中高生の皆さんには、中学・高校時代には、「楽しい」、「面白い」、「嬉しい」をたくさん味わってほしいと願っています。
「楽しい」とひと口にいっても、様々な楽しさがあります。例えばサッカーをすることは「楽しい」、歌を歌うことは「楽しい」。しかし、サッカーの試合に向けて練習しているときや、音楽祭で発表するために練習しているときは楽しい場面ばかりではないでしょう。みんなをまとめたり、何度も反復練習することは苦労があったり苦しい、あるいは失敗してらどうしようという不安もあるかもしれません。しかし、本番でうまくいった経験、達成感に「うれしい」思いを抱くことでしょう。「楽しい」は一時的で消えますが、「うれしい」は心に残ります。学びは「面白い」。勉強を支えるのは「面白い」ではないでしょうか?東邦で「楽しい」「面白い」「うれしい」経験をたくさん積んでほしい。
しかし、「楽しい」「面白い」「うれしい」場面ばかりではないでしょう。「苦しい」「つまらない」「悲しいまたは悔しい」こともきっとあります。そんなとき、東邦の友だちや教職員は生徒に寄り添います。大人にできることは、環境を整えて、自ら勉強することです。「勉強しろ」と言って勉強する子が中高生でどれほどいるでしょう。我々がすべきことは生徒の学習環境を整えて我々が勉強すること、教員自身が学問の楽しさ面白さを背中で示すことだと思います。
本校で中高時代を過ごす生徒には、安心してのびのびと自分の道を探すことができる環境を作り、教員全員が共に学ぶ意識で寄り添っていきます。
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