海陽中等教育学校インタビュー

日本を牽引するリーダーを輩出する
全寮制の中高一貫校
校長西村英明先生

※2021年4月インタビュー時のものです。

「社会で活躍できる力」を身に着けるための全寮制

本校は全寮制の学校ですが、ただ「泊まるための寮のある学校」ではありません。全寮制だからこそできる環境を整えて、社会で活躍できる人間を育てるのが本校の一番の特長です。1990年代終わりから日本の社会は停滞期を迎え、先の見えない社会となりました。この日本を立ち直らせるべく牽引していく人材はどこで育てられるのか？という危機感を共有した日本有数の企業が中心となって本校は設立されました。どの学校も勉強だけではありませんが、「社会で活躍できる力」にフォーカスしている学校は他には無いのではないでしょうか。本校は全寮制の「ハウス」生活を通して、学力はもちろん、生活まで含めて指導しています。家庭には子供が社会に出て困らないようにする役割がありますし、地域社会では社会の中で生きていくルールを教えてくれます。1フロアあたり20名の3フロア、約60名で構成する本校の「ハウス」は、生徒たちにとっての家庭であり、ミニ社会でもあります。そこではハウスマスターとして社会経験の豊富な教職員が、そして各フロアには賛同企業の若手社員がフロアマスターとして共同生活を送り、生徒の成長をサポートします。

「ハウス」というミニ社会で切磋琢磨する生徒たち

この「ハウス」で生徒たちは様々なアクティビティを通して切磋琢磨を続けます。例えばイベントです。土日には球技大会やバーベキューなどのイベントも行われます。恐らく大抵のご家庭では、子供がやりたいということは、熱意があって筋も通っていれば「ダメ」ということはないでしょう。しかし、本校の「ハウス」では60人がやりたいことを持ち寄ります。採用される案は1つなので、どれだけ熱意があって正しいことを言っていても、このミニ社会の中で一番高いレベルで考えていないと実現しません。フロアマスターがイベントの企画書も添削してくれますが、実際にやるのは生徒たちです。何度も書きなおす中で、みんなのことを考えられるようになったり、緻密な計画を立てられるようになるのです。日直ひとつとっても本校では「リーダー体験」の重要な仕組みです。単に交替で作業を行うだけではなく「ハウス」の生活の質を向上させるためその日をマネージするのが仕事です。「時間を守らせるためにいつ声かけするのが適切だろう？」などフロアマスターも助言をします。こういうことが繰り返されることで、リーダシップが養われ、フォロワーシップも身につくのです。

海陽の卒業生には社会を変える人になって欲しい

本校で考える「社会で活躍できる力」は、「対人能力」「自己管理能力」「問題解決能力」ですが、能力があるからといって活躍できるとは限りません。その鍵は、こんな自分になりたい、こんな風に社会に貢献したい、といった強い意思でしょう。これこそ切磋琢磨の日々で高められるものです。「ハウス」生活では、「勉強ができる」というだけでは評価されません。部屋が整理されている、優しい気配りができるなど、様々な特色を互いに認めざるを得ず、自然と他人を多面的に評価するようになります。本校で学んだ生徒には、もちろん社会で活躍する人になって欲しいですが、さらに言うなら、社会を変えられるような突出した人物が出てきて欲しいです。政治、ビジネス、スポーツ…どんな領域でもいいですが、その原点が本校だったら嬉しいですね。卒業生に話を聞くと、大学生は、本校での裏も表も知り尽くした「友人の絆」は一生の財産といいます。社会人になると、意見の合わない子、嫌いな子と一緒にやらなければならなかった経験こそが重要だったといいます。第1期生もまだ20代後半です。本校の「良さ」は彼らが社会経験を重ねるにつれ、より実感していくことでしょう。

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