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水族館スタッフの仕事内容とは?仕事の魅力・やりがいを解説!

2022年03月01日

はじめに

水族館スタッフに憧れる人は多いことでしょう。しかし仕事の良い部分と悪い部分の両方を知っておかないと、就職してから理想と現実とのギャップに苦しむかもしれません。この記事で、水族館スタッフのやりがいや大変なことについて理解を深めましょう。

水族館スタッフとは?

水族館スタッフの定義

水族館スタッフは、特別な国家資格が必要な職業ではありません。そのため厳密に言うと、法律上で業務範囲に関して明記されていません。海洋生物の飼育や水槽の掃除、生物の体調チェックなどはもちろんのこと、館内イベントへの企画演出・出演や来場してくれたお客様への解説が主な仕事です。言い換えると水族館スタッフとは、館内で飼育している生物のあらゆる管理を行い、自らもアイデアを出しながら水族館の魅力をお客様に伝える職業なのです。

水族館スタッフの仕事内容

水族館スタッフの仕事は、大きく分けて①館内で飼育している生き物の管理業務と②お客様への接客業務の2つです。①については餌やり・掃除に加え日々の体調チェックも欠かさず行い、病気や怪我の兆候があればすぐに対応します。また生物たちの生態研究も仕事に含まれ、展示内容に合わせて自分たちで生物を採集することもあります。担当する生物に関する勉強を重ね、専門知識を深めていくことが重要です。②では、解説業務だけではなくショーに向けた生き物のトレーニングも行います。お客様に生物の生態についてより興味を持ってもらい、楽しんでもらうために、イベントやキャンペーンの新企画を出し合います。もちろん受付や案内といった、直接生き物に関わらない仕事もあります。水族館スタッフの仕事はは、より良い水族館づくりに協力することも大切な業務の一つなのです。

役立つスキル

水族館スタッフは日々生き物と向き合う仕事であるゆえ、やはり海洋生物に対する興味・関心や幅広い知識を持っていることが最大の武器となるでしょう。そして働いてからも自らが進んで学ぶ姿勢を持ち続けることが大切です。また、例えば公営の水族館に就職したい場合は、地方公務員の採用試験に合格しなければなりません。そのため、まずは公務員試験に向けた学習を進めておく必要があります。

就職するのに必須となる国家資格はありませんが、業務で求められる役割やスキルを考えると国家資格である獣医師免許や潜水士、民間資格ではスキューバダイビングライセンス(Cカード)、愛玩動物飼養管理士を取得しておくことで、即戦力として働くことができるでしょう。

獣医師は、大学の獣医学部に進学し学校で定められたカリキュラムを修了するなど受験資格を得るまでに相当の勉強が必要です。潜水士は、18歳以上なら誰でも受験資格があり、実技はなくマークシート形式の試験を受けます。水族館によっては大水槽の掃除などがあり、就職条件で「取得しておくことが望ましい」としている場合もあります。そのため必要な知識を学んで、取得を目指しておいた方がよいでしょう。

スキューバダイビングライセンス(Cカード)や愛玩動物飼養管理士は受験を主催する団体が試験範囲や内容、受験できる日時や場所などをひろく情報提供しているため、自分自身の興味と、将来的に取り組んでみたい業務を想像しながら、どの資格を取っておくべきか判断してみることをおすすめします。

水族館スタッフの一日のスケジュール

水族館スタッフは、場合によってはお客様の対応に入ることもありますが、基本的には裏手での作業を行います。また、一日を通して自分が担当する生き物の健康を常に気にかけます。餌をあげる時や清掃時、他にも生き物と触れ合う時は欠かさず生き物の様子を確認し、少しでも様子に異変を感じたら獣医師に相談するなど、迅速な対応を行います。

水族館スタッフの一日のスケジュール例 水族館スタッフの一日のスケジュール例

水族館スタッフに必要な資質

協調性

水族館の管理は、スタッフ全員で力を合わせて行うものです。情報の共有も必要であるため、チームプレイが問題なく行える人が向いています。また、朗らかにお客様とコミュニケーションが取れる快活さも求められるでしょう。

愛ある観察力

生き物たちへの強い愛情を持ち接することと、自分の仕事に責任感を持つことも大切です。また細かい変化にもよく目が行く届く観察眼があると、生物の体調変化にも気がつけるのでさらに好ましいでしょう。

心身のタフさ

水族館スタッフの業務には重労働も多いので、体力がある方が積極的に仕事できるでしょう。加えて、生き物のペースや不測の事態に臨機応変に合わせられるタフさや辛抱強さも必要な資質となります。

水族館スタッフの魅力

好きを仕事に

水族館スタッフは、海や川に生息する生き物たちが好きな人ばかりです。自分が持つ知識が人の役に立つ充実感も得られ、毎日大好きな生き物たちと対話できるのでモチベーションも高まります。近い場所で過ごすことで、今まで知らなかった生き物たちの新しい面に気づくこともできるでしょう。

お客様の存在

自分が担当するショーや解説を通じて、生き物たちの生態に興味を持ってもらえた時は、嬉しく感じるでしょう。来館したお客様の楽しそうな顔を間近で見られることも、この仕事の何よりの魅力です。今まで地道に勉強した内容がお客様の役に立ったという実感は、自分自身のキャリアを積んでいく上で大きな励みにもなります。

水族館スタッフのやりがい

水族館で働いていると、生き物たちの死に直面します。予兆なく突然亡くなることもあるため、「自分たちに何かできることはなかったのか」と悲しみを味わうことも多いです。しかし、消えていく命があれば新しく生まれてくる命もあるように、日々生き物と向き合って仕事することで、命の大切さを感じ、それらを来場者に伝えていくことができます。これはまさに水族館スタッフのやりがいといえる部分です。生き物たちの命を守り、未来へつなげているのは我々だという自負は、日々のモチベーションを保つ重要な要素にもなるでしょう。

水族館スタッフとして大変なこと

会話ができない

言葉が通じない生き物相手なので、意思疎通ができない難しさがあります。自分が行っている作業がストレスをかけていないかなど不安があっても、確認はできません。食事や排泄の時は、思った通りに動いてくれないことも頻繁に起こるでしょう。忍耐力や心身のタフさでカバーしていく場面が多々あることは理解しておいた方がよいでしょう。

汚い作業がある

当然ですが、あまり綺麗ではない仕事も任されます。担当する生き物によっては、排泄物の後始末に苦労することもあるでしょう。臭いや汚れと縁を切ることはできませんし、命の危険と隣り合わせになる可能性もなくはありません。しかし、どれも生き物たちの健康を維持するためには必要な業務です。そのため、割り切って取り組む姿勢が必要です。

まとめ

水族館スタッフの仕事は生き物相手であるため、言葉が通じないもどかしさや、身体が汚れる仕事も引き受けなければならないことなど、大変な部分がたくさんあります。しかし、そんな苦しみを忘れられるくらい、大好きな生き物たちといつも近くで過ごすことができる魅力的な職業でもあります。海や川の生き物が好きな人にとっては、常にやりがいを感じられる職場かもしれません。死が身近であるがゆえに命の尊さや大切さを知ることもできますし、それを多くの人に伝える役目も担えます。水族館が多くの人から愛されていることからもわかるように、社会から必要とされている存在なのです。

当記事に記載の数値や事実等に関しては、下記サイトの情報を基に作成しております

水族館にいる飼育員の1日
https://www.homemate-research-aquarium.com/useful/13847_aquar_032/
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