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ドッグトレーナーのキャリアアップの方法は?仕事の現状と将来性を解説!

2022年03月01日

はじめに

問題行動を起こす飼い犬を専門的な立場からしつけてくれるドッグトレーナーは、飼い主にとって心強い存在です。この記事ではドッグトレーナーの現状と将来性に加え、ドッグトレーナーのキャリアを築いていく上で必要な情報について紹介します。

現状について

ドッグトレーナーの現状について

一般社団法人日本ドッグフード協会の「令和3年全国犬猫飼育実態調査」によれば、新しく飼われた犬の数は、新型コロナウイルス感染症の流行前よりも増えています。家にこもりがちな生活の中で、犬との触れ合いによって日々の癒しを得ている人々は少なくありません。一方で、アパートやマンションで飼われる犬の行動が近所トラブルを招くこともあり、しつけの重要性も高まっています。

ドッグトレーナーの業界が直面している課題について~飼育数減少~

ドッグトレーナーになるためには必ずしも資格を必要としないため、現在どれくらいの人がドッグトレーナーとして活躍しているのかを正確に把握することは困難です。ただしドッグトレーナーとして開業する場合には、動物取扱業者として登録する必要があることから、その登録者数に着目してみました。令和2年4月1日時点における動物取扱業者数のうち、ドッグトレーナーの業務である「訓練」の種別は第一種と第二種を合わせて4896件です。この中には他の動物の訓練業者も含まれるので、ドッグトレーナーとして開業している業者はもっと少なくなります。それを反映するように、求人情報サイトでドッグトレーナーの求人を調べると、とても少ない印象を受けます。

また新規で飼われる犬の数が増えているとはいえ、全体的にみると犬の飼育数や犬を飼いたいと考える人の数は年々減っています。ペットブームとはいえ、犬よりも猫に人気が集中しているのが現状です。また、厚生労働省によれば、令和元年度の登録犬数は615万4,316頭もいるので、ドッグトレーナーの開業者数に対して飼い犬の数は十分に多く、どのようにビジネスの幅を広げていくのかが課題です。

ドッグトレーナーの将来性について

社会変化がもたらすドッグトレーナーの需要の増加

犬の飼育数は年々減少していますが、ペットを家族とみなす人が増えるのにともない「犬の保育園」や「パピースクール」といった新しいサービスが登場し、飼い主が一頭の飼育にかける金額も増加傾向にあるようです。また、ペットの飼育が可能な賃貸物件が増える中、犬の吠え声などによって近隣住民に迷惑がかかるのを防ぐため、しつけや訓練で犬の社会性を養う必要性が高まっており、ドッグトレーナーの需要は今後増えていくことが予想されます

女性のドッグトレーナーが活躍する場が増える?!

ドッグトレーナーは力の強い大型犬を扱うこともあるため、男性の職業というイメージを持つ人もいるかもしれません。しかし、ドッグトレーナーは女性でも十分に目指せる職業です。動物を扱う専門学校でも女性の割合は高く、実際に多くの女性が働いています。ドッグトレーナーは犬だけでなく、飼い主との信頼関係を築くことも重要なので、人の心に寄り添うことが得意とされる女性が好まれます。また、訪問によるしつけの依頼では女性が指名されることも多く、今後も女性の活躍が期待されています。

ドッグトレーナーのキャリアのスタート~就職先~

しつけ教室

ドッグトレーナーの主な就職先としては、犬のしつけ教室があります。犬のしつけ教室は「ドッグスクール」「犬の幼稚園」「犬の保育園」といった名称で求人が掲載されていることもあります。しつけを依頼された犬にトイレトレーニングなどを施し、無駄吠えなどの問題行動を取らないように教え込むのが仕事です。

ペットホテル

飼い主が出張や旅行などでペットの面倒を見られなくなったときに、一時的にペットを預かってくれる施設がペットホテルです。預かった犬が慣れない環境でストレスをためないよう、遊んであげることを含め、犬の生活全般の世話をします。預かっている間にしつけのトレーニングサービスを行っている施設もあります。

動物病院

動物病院の中にはドッグトレーナーを募集しているところがあります。獣医が病気の治療や予防を行うだけでなく、ドッグトレーナーによる犬のしつけ教室やリハビリテーション、老犬の認知症予防などを実施している場合もあり、意外な分野で活躍できる可能性があります。

ペットサロン

ペットサロンでもドッグトレーナーの求人を募集しています。トリミングが専門のサロンであっても、犬の散歩代行、一時預かり、犬のしつけ教室、ペットの健康管理、老犬の介護など、いろいろなサービスをまとめて幅広く提供しているお店があります。

その他

ペットサービスが拡大する中、ドッグトレーナーが活躍できる場も広がっています。ペットショップ、ドッグカフェ、犬と一緒に泊まれる宿泊施設、動物と触れ合えるテーマパーク、動物専門学校の職員など、さまざまな選択肢があります。

ドッグトレーナーのキャリアアップの仕方

ドッグトレーナーとしての技術を高める

ドッグトレーナーとしての技術を高めたいなら、自分がトレーニングした犬を積極的に訓練競技会に参加させましょう。例えば、一般社団法人ジャパンケネルクラブが主催する競技会では、細かいクラス分けがあるので、犬の成績で自分の実力が把握できます。訓練競技会で優秀な成績をおさめれば、称号が得られてキャリアアップにつながります。

ほかの資格を取得する

ドッグトレーナーに国家資格はありませんが、民間の資格はたくさんあり、資格をいろいろ取得しておけば企業や顧客からの信用アップにつながります。ドッグトレーナーの資格には、日本ドッグトレーナー協会認定のドッグトレーナーライセンス、ジャパンケネルクラブの公認訓練士資格などがあります。

独立

ドッグトレーナーとしての実務経験を積み、経営の仕方について学んだら、フリーランスのドッグトレーナーとして独立する道があります。十分なノウハウがあれば、ドッグスクールやペットホテルなど自分が挑戦してみたいお店を開業して、経営するという選択肢もあります。

転職

ドッグトレーナーの求人が少ないという現状を踏まえると、同業への転職は基本的に難しい状態です。しかし、将来独立を考えていて必要な実務経験を積みたいのであれば、転職に有利になるようキャリアアップを目指しましょう。ペット関連の資格取得や競技会での成績が、転職の大きな武器になるはずです。

ドッグトレーナーの海外進出

海外で働きたいなら、世界基準のドッグトレーナー資格であるCPDTを取得するとよいでしょう。CPDTは日本でも受験できますが、受験資格として300時間以上の訓練経験と推薦状が必要なのでハードルは高いです。なお、海外で働きたい場合には、現地で研修を受けたり、現地の学校で学んだりして就職につなげるのも一つの手です。

まとめ

ドッグトレーナーは、犬のしつけ方がわからない飼い主のために、犬をしつけて問題行動を起こさないように導く、社会貢献が可能な職業です。特別な資格がなくても就けますが求人は少なめです。ドッグトレーナーとしてキャリアアップしていくためには、ペット関連の資格を取得し、競技会で優秀な成績を残せるように、日々努力を重ねることも重要です。

当記事に記載の数値や事実等に関しては、下記サイトの情報を基に作成しております

一般社団法人日本ドッグフード協会
https://petfood.or.jp/data/chart2021/2.pdf
環境省動物取扱業者登録・届出状況
https://www.env.go.jp/nature/dobutsu/aigo/2_data/statistics/files/r02/2_1_1.pdf
厚生労働省犬の登録頭数と予防注射頭数等の年次別推移
https://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/kekkaku-kansenshou10/02.html
日本ペットドッグトレーナーズ協会トレーナー資格”CPDT”
https://japdt.com/about-cpdt
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