黄柳野高等学校インタビュー

自然に囲まれて無理なく生活を改善
自分の良さを出せる
普通科3年佐藤亜美さん

※2023年4月インタビュー時のものです。

黄柳野高等学校に来て良かったと思うことは？

黄柳野の生徒は約7割が不登校を経験しています。私も中学1年のときに、部活動の人間関係のストレスから学校で頻繁に倒れるようになってしまい、そのまま登校しなくなりました。黄柳野を知ったのは中3の3学期です。自分では情報を集める気力もなかったところに母が探してきてくれました。一時期通ったフリースクールで高校検定を取ることも考えましたが、完全に昼夜逆転の生活サイクルだったので希望も持てず……。とにかく生活を変えたいという思いから見学に来たところ、自然が豊かでスタッフさんも優しくて、ここなら頑張れそうだと直感が働いたんです。入学して、実際に本当に様々なことが変わりました。まず、全寮制なので規則正しい生活ができます。みんながいろいろな事情や問題を抱えているから、自分も無理をせずに素を出せます。おかげで家族との関係も劇的に改善しました。それまでは不登校のストレスを家族にぶつけてしまっていたのですが、今は休暇で家に戻っても穏やかな気持ちでいられます。むしろきょうだい喧嘩を仲裁する側にまわっています。

今までの学校生活でがんばったことを教えてください

2年生のときに寮長に選ばれて、1年間任務を完遂できたことはかなり自信になりました。4人部屋の寮は定期的に部屋替えがあり、寮長が一人ひとりの意向を聞いて組み分けていきます。みんなこだわりがあるので、正直大変でした（笑）。諦めずにたくさんの案を考えて、それが成立したときは大きなやりがいを感じることができて、とても良い経験ができたと思っています。
和太鼓部での活動も楽しいです。私は聴覚過敏があって大きな音が苦手なのですが、黄柳野に来て和太鼓の音を聞いたときに感激して、どうしても自分でもやりたくなって。ずっと体育は苦手だったけど初めて身体を動かす楽しさを実感できました。騒音問題などを気にせず思い切り音を出せるのも気持ちがいいです。それに部着のロゴ制作で、唯一長く続けてきた書道の経験が活かせたのも嬉しかったですね。実は活動中に一度倒れてしまったことがあるのですが、スタッフさんたちが私のやりたいという気持ちを汲んで、いろいろな配慮やサポートをしてくださったおかげで、耳栓などを使って工夫しながら活動を続けられています。そういったサポートの体制は和太鼓部の活動に限らず学校全体にありますから、一人ひとりに合った、無理のない学校生活が送れると思います。
今は指定校推薦での大学進学を考えています。私もいずれは、人を笑顔にできる仕事につけたらいいな。

未来の後輩へのメッセージ

変わりたいという思いさえあれば、必ず一歩を踏み出せる環境です。自然や生き物が好きな人にもおすすめ！　校舎棟でもツバメや野ウサギ、蝶などに出会えて、生き物と共存している実感を日々感じることができますよ。私は掃除が好きなので、最近はトイレに落ちているコウモリの糞を集めて捨てるのがブームです。実際に見学に来たら、すぐにのびのびとした雰囲気を感じてもらえるはず。ちょっと遠いな……と思う人も、ぜひ学校見学に来てみてください。

黄柳野高等学校が気になったら！