「通信制高校に入学しようと思ってるけど、大学進学に不利になったりしないの?」「通信制高校での大学受験の勉強が不安」
この記事を読んでおられる方の中には、そのような方も多いのではないでしょうか。
通信制高校の卒業資格だからといって大学進学が不利になるわけではありません。では、なぜこのようなことをいわれてしまうのでしょうか。
今回は、「通信制高校からの大学進学の現状」と、「大学進学の為の3つの重要ポイント」について注目してみていきたいと思います。
結論から言うと
「通信制高校からの大学進学は、可能だが難しい」
というのが実情です。
ただ、安心してください。
記事の後半で「どうすれば、大学進学率を高めることが出来るのか」についてもご説明します。
文部科学省が出している「学校基本調査」(平成28年度)によると、全日制高校と通信制高校の進学者数と大学進学率を比べてみると下記のようになります。
通信制高校の大学進学率は、全日制高校の約3分の1となっているのです。
なぜ、全日制高校よりも通信制高校の大学進学率が低くなってしまっているのでしょうか?
全日制高校と比べると、非常に低くなってしまっている通信制高校からの大学進学率ですが、これは通信制高校の特性が大きく影響しています。
一言でいうと、通信制高校は「自主的、主体的に勉強をしなければならない環境」だからです。
具体例をあげると、下記の3つとなります。
通信制高校とは、「毎日通学しなくても高等学校レベルの学習ができ、高校卒業資格が得られる」という学校です。時間的な負担も少なく、自分の好きなように時間を使うことができます。
しかし、裏を返せば全日制高校ように毎日登校を強制されているわけではない為、必然的に先生から対面での学習指導を受ける機会が少なくなってしまいます。
その結果、学習内容でわからないこと等があった際にすぐに質問し解決することが難しく「学習が遅れがちになる」という状況が生まれやすくなっているようです。
通信制高校の指導は、「あくまで高校の卒業を目標にしている」場合がほとんどです。
この為、学習の内容も比較的やさしくなっており、通信制高校の学習のみでは、受験に必要な学習が足りないという状況が生まれやすくなっているようです。
通信制高校の年間の登校日数は、通常最低20日前後に設定されている場合が多く、自ら積極的に動かなければ、友人を作ることも難しいという状況になりがちです。
その為、周りとの競争環境も出来づらく、互いにわからないことを教え合うなど、切磋琢磨する環境がないことも理由として挙げられます。
そういった環境の中で、自分一人で自制心を保ちながら学習を進めていくことは容易ではなく、「大学進学を目指していたが、途中で挫折してしまった」という方も多くいるようです。
ここまで読んでいただいた方は、少し暗い気持ちになってしまったかもしれません。
しかし、そんな中でも国立大や有名私立大等へ進学されている方もいます。
では、どのようなことに気をつけることで、大学進学を実現することができるのでしょうか。
それぞれを詳しく見ていきましょう。
大学進学を目指す上で、自分自身で目標を決めることは非常に重要です。
大学に進学するのは、もちろん自分自身ですし、家族などの周りの人に言われたからといって行くところではありません。
受験勉強も楽なものではない為、「周りから言われたから仕方なく…」というような感情が働いてしまうと挫折するきっかけになりかねません。
自分自身で目標設定することが大切です。
通信制高校は、全日制に比べ自由に使える時間が多くあります。
全日制高校の場合、自分の得意科目や苦手科目に合わせて、学習時間を変更することは簡単にはできません。
しかし、通信制高校であれば自分自身でどのように時間を使うかを決めることができる為、得意科目は必要最低限にし、苦手科目を重点的に学習することも可能です。
また、塾や予備校などを活用することで、受験に特化した学習を行うこともできますので、時間を有意義に活用することを心がけてください。
前述したように、通信制高校の学習のみでは、受験に必要な学力が不足する可能性があります。これを補う役割をしてくれるのがサポート校の存在です。
サポート校とは、
「通信制高校+卒業や勉強、専門技術習得のサポートを行ってくれる教育施設」です。
大学進学を目指す上で、サポート校の存在は必須と言ってもいい程で、大学進学に強いサポート校であれば、通信制高校の学習+受験勉強を組み合わせた効果的な学習カリキュラムを持っており、大学進学の大きな力になってくれるでしょう。
では、どのようなポイントでサポート校を選択すれば、大学進学をより現実に近づけることができるのでしょうか。
この3つのポイントを意識することで、大学進学により適したサポート校を選択することができるでしょう。
大学進学コース等があり、進学を目標とする学習カリキュラムのある学校を選択することが重要です。
また、学校を選択する際には、志望校を明確にしておくことも大切です。行きたい大学によって、どのレベルの学習カリキュラムが必要かは変わってきます。
志望校を明確にできていれば、より自分自身に最適な学習カリキュラムやサポート体制を選ぶことができるでしょう。
進学実績は、サポート校を選ぶ上で非常に重要な指標となります。
実際に、卒業生がどのような大学に進学したのか確認することで、サポートサービスの良し悪しを判断することもできると思います。
また、行きたい大学の進学実績があれば、その学校が自分にあっていると判断する大きな材料となるのではないでしょうか。
ホームページやパンフレットなどに進学実績を公開している学校も多くありますし、在校生や卒業生の体験談等も合わせて掲載している学校もあるので、参考にするとよいでしょう。
サポート校の中には、学習塾や予備校等と提携しているところや、そもそもの運営母体が学習塾や予備校等の所もあります。
このようなサポート校では、学習塾や予備校等でのノウハウを活かし、質の高いサポートの提供や大学受験情報を豊富に持っているなど、大学受験に有益なサポートや情報を得られます。
一般に、大学受験の準備の為に、高校以外に予備校等に通う方が多くいますが、こういったサポート校を選択することで、別途塾や、予備校等に通う必要がなく受験準備が進められるというメリットもあります。
ここで、上記に該当する大学進学に強い通信制高校・サポート校の一部をご紹介したいと思います。
下記の表にまとめてみました。
学校名 | 特徴 | 進学実績 |
---|---|---|
中央高等学院 |
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ルネサンス高等学校 |
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クラーク記念国際高校 |
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トライ式高等学院 |
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飛鳥未来高等学校 |
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N高等学校 |
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2016年4月~開校のため、2017年3月現在なし |
今回は、通信制高校からの大学進学についてみてきました。
通信制高校から、大学進学を目指すのは一見難しいように思えるかもしれませんが、重要ポイントをきちんと押さえ、様々なサポート等を活用することで、大学進学をより確実なものにすることができると思います。
通信制高校だから進学に必ず不利だということは、けしてありません。
まずは、自分自身で目標を立て、その目標に必要なサポートを選択することが大切です。そして、決めた目標に対し、着実に一歩一歩進んでいきましょう。
辛いことや苦しいこともたくさんあるかもしれません。しかし、それを乗り越え、目標の大学進学を実現させた未来は、より一層明るいものだと思います。
あなたの望む大学進学が実現することを願っています。