「今の学校が合わず、悩んでいる。」
「高校中退したけれど、きちんと卒業をしたい。」
そう思って通信制高校への転入・編入を検討されている方もおられるかと思います。
ただ、「転入ってなに!?」「編入ってどういうこと!?」と、転入と編入の違いについて十分に理解されていないケースも多く見受けられます。
今回は、「転入」「編入」の違いとそれぞれをどのように選択すればよいかをご説明したいと思います。
単刀直入に転入と編入の違いを表すと下記になります。
転入と編入は言葉は似ていますが、卒業時期に大きく影響を及ぼします。違いに気付かずに通信制高校への入学の手続きを進めると、大きな落とし穴にはまることもあるので注意しましょう。
また、学校の先生でも十分に理解をしておられないケースもあるようです。取返しのつかないことが起こってからでは遅いので、後悔のないように、ご自身できちんと理解してください。
では、なぜそのような事が起きるのかをこれから詳しくご説明しましょう。
まず、高校を卒業するには「3年(36ヶ月分)の就学が必要」と国によって定められています。
つまり、高校を3年間で卒業する為には、切れ目なく3年間高校に在籍してることが必要で、1日でも在籍していない期間ができると、この規定を満たせないということになります。
この就学規定が、転入・編入の大きなポイントになります。
図を使って転入・編入をそれぞれ説明していきます。
転入とは、現在、高校に在籍している方が、別の学校に入学することをいいます。いわゆる転校のイメージと特に変わりません。
転入の場合には、前の学校の籍を次の学校に移すということになるので、先ほど挙げた3年(36ヶ月)の就学期間を連続して消化することができ、3年で卒業をすることが可能です。
また、転入の場合はこれまでに取得した単位や出席日数はそのまま引き継がれます。さらに、履修途中の単位もそのまま転入先の学校で引き継ぐことが可能です。
例の場合に当てはめてみますと、1年次に取得した単位は、そのまま単位認定されます。
2年次はA高校で8月までで取得しているものと履修途中ものをB通信制高校で引き継ぎ、残り単位をB通信制高校で取得すれば、晴れて卒業となります。
※単位の引継ぎについては、各校で異なる場合があります。詳しくは各校へ事前確認いただくようお願い致します。
続いては編入についてご説明しましょう。
編入とは、高校を中途退学した方が、別の学校に入学することをいいます。
編入の場合には、中途退学をした後に、ほかの高校へ入学する為、3年(36ヶ月)の就学期間にブランクが発生し、3年で卒業できないということなります。
さらに、ほとんどの通信制高校は、3月もしくは9月の卒業制度を採用しているため、同級生より最短でも6ヶ月卒業が遅れることとなります。
また、編入の場合は前年度に取得した単位の引き継ぎは可能です。
しかし、今年度に履修していた科目は、単位認定されず、引き継ぎが出来ない為、再度初めから履修しなおす必要があります。
例の場合に当てはめてみますと、1年次に取得した単位は、編入先でも単位認定されます。
しかし、2年次の8月まで取得していた単位の引継ぎはできず、編入先のB通信制高校で初めから単位を取得しなおす必要があります。
1年次にA高校で取得した単位と卒業に必要な残りの単位をB通信制高校で取得すれば、卒業可能となります。
※単位の引継ぎについては、各校で異なる場合があります。詳しくは各校へ事前確認いただくようお願い致します。
編入の場合は「同級生と同じタイミングでの卒業はできません」とご説明しましたが、実は、卒業は出来なくとも条件を満たせば同級生と同じタイミングで大学や専門学校への進学をすることは可能です。
今回は、転入と編入の違いについて解説しました。 一般的に混同されやすい言葉ですが、大きな違いがある言葉です。
「高校の卒業時期」 にも大きな影響を及ぼします。また、引き継ぎのできる単位の内容等にも違いが出てくるため、貴重な時間を無駄にしてしまう可能性をも含んでいます。
これからの将来のために転入・編入の内容を十分に 理解し、悔いのない高校生活を送っていただけますと幸いです。