高校卒業資格とは、全日制高校、定時制高校、通信制高校のいずれかに入学し、国の定める高校卒業に必要な条件を満たし、無事卒業することで得られる資格のことです。
この資格を持っていることで、高等学校を卒業したことを証明し、大学や専門学校などへの入学資格を得ることができます。
高校卒業資格を取得するためには、高校へ入学し、下記の3つの条件を満たすことが必要です。
それぞれを詳しくみていきましょう。
1つ目は、高校へ3年以上在籍することです。
これは、転入や編入により通学先が途中で変わった場合も、合計で3年以上在籍すれば条件を満たすことができます。
2つ目は必須科目を含めた合計74単位以上を修得することです。
卒業までに74単位以上を修得することができれば、条件を満たすことができます。
※74単位以上という規定は、国の定める最低限の基準の為、学校によっては、75単位以上の単位修得を求められるところもあります。
3つ目は、それぞれの学校によって定められている卒業条件を満たすことです。
これは全日制、定時制、通信制で授業方法や登校日数等に違いがある為、各学校によって定められています。
例えば、【通信制高校】の場合、「特別活動30時間以上の参加」が定められています。
特別活動とは、ホームルームや部活動、体験学習、文化祭等のことを指し、通信制高校の特性上、このような活動を日常的に行うことができない為、定められている条件です。
学校ごとに定められている条件に違いはありますが、入学した学校の条件をすべて満たすことで卒業資格を得ることができます。
しかし、この記事を読んでおられる方の中には、高校卒業資格を取りたいが
「すでに働き始めていて、3年以上の在籍が難しい」という方や、
「年齢的に15~18歳の方々と一緒に学校生活をおくるのは、ちょっと…」
という方などもいらっしゃるかと思います。
そういった方の為に、短期間で高校卒業資格と同等の学力があることを認められ、大学、短大、専門学校への進学が可能になる資格があります。これが「高卒認定」です。
「高卒認定」とは、
「文部科学省が実施している高等学校卒業程度認定試験を受験し、合格すると得られる資格」です。
高校卒業と同程度の学力があることを証明する資格で、高校を卒業せずとも、大学や短大、専門学校への入学資格を得ることができます。
※以前は「大学入学資格検定(大検)」と呼ばれていたもので、平成17年度に試験名称が「高等学校卒業程度認定試験(高認試験)」へと変更になりました。
文部科学省が実施する「高等学校卒業程度認定試験」を合格することで取得できます。
試験実施日 | 8月・11月(年2回) |
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受験資格 | ① 試験を受ける年度中に、満16歳以上なる方 ② 大学・専門学校などへの入学資格のない方 |
受験科目 | 全14科目中必須科目を含めた8~9科目 |
難易度 | 中学~高校1年生で学習する程度の内容 |
※以下の条件が該当する方は、受験科目の免除が受けられる可能性があります
免除できる科目があれば、その分早く合格できる可能性も高まりますので、該当される方は、是非ご確認ください。
また、学習に関しては高認資格取得の支援を行っている塾や予備校へ通うことも可能ですし、文部科学省のホームページに無料で公開されている過去の試験問題をダウンロードして勉強することも可能です。
ここからは、「高校卒業資格」と「高卒認定」のメリット・デメリットについてご説明していきたいと思います。
言葉も似ていて一般的には混同されがちな「高卒資格」と「高卒認定」ですが、全くの別物です。
メリット | デメリット | |
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高校卒業資格 |
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3年以上の在籍 |
高卒認定 | 短期間で大学や専門学校への 入学資格を得られる |
学歴に高卒と記載できない |
それぞれのメリットデメリットについて、詳しくみていきましょう。
今回は、高卒資格と高卒認定について、みてきました。
高卒資格と高卒認定は、言葉は似ていますが、大きく意味合いが違います。
この違いをきちんと理解し、自身の目的や状況に合わせて選択を行えば、就職の際や短期間で進学資格を取得できるなど大きなメリットを得ることができます。
そして、1番大事なことは、ご自身で目標を決め、その目標に向かってしっかり進んでいくことです。
高校卒業資格・高卒認定のどちらも将来の可能性を大きく広げていくことができるものだと思います。
将来の目標を見据えた上で、より良い人生を送ることができる選択をされることを願っています。